刊行図書
鉄道車両用電子機器(主に主回路装置)のメンテナンスに関し、車両及び電子機器の各々のライフサイクルを踏まえた課題と対応策について、調査研究を行った結果をまとめた報告書です。
本書は、以下に示す事柄をまとめた内容となっています。
本書の特徴として、電子機器のメンテナンスに関する鉄道事業者の実際の事例、課題となる事柄に対する鉄道事業者と電気機器メーカ相互間の考え方を紹介する構成となっており、今後さらに対応が必要となる電子機器メンテナンスに関して、課題の整理や対応策の検討に参考となる内容になっています。
旅客車の火災対策として実施されている鉄道車両用材料燃焼試験の内容を解説した手引き書です。
本書は、以下に示す4編から構成されています。
本書の特徴は、イラストを使って分かりやすく説明するとともに、これまで解りづらかった言葉の意味や定義を示しています。
記(一社) 日本鉄道車両機械技術協会編
今年2014年10月には東海道新幹線開業50周年を迎えます。この間、新幹線電車は開発から最高速度320km/hまで育てられてきました。世界最高の速度である上に、環境保全や安全性・信頼性そして軽量化を加味すると、世界で突出した技術の車両であると誇ることができます。これは開発時代から引き続いて育ててきた技術開発の成果です。その新幹線電車の技術開発経緯を読みやすくまとめたのが本書です。
1950年代から基礎技術の開発が始まり、開業後安定運転に至るまでの技術史は多くの書物に記録されており、さらに210km/hからの速度向上の技術の経緯は、各種の雑誌などに断片的には記録されていますが、全体像を把握するのは容易ではありません。
本書の特徴の一つは、それらの全てを通観できるようにとりまとめてあることです。
車両技術者の皆様に、さらに前進して頂くためには、過去の技術経緯を吸収して頂くことは大切な要素です。本書によりその一部でも把握して頂くことを願っております。
(社) 日本鉄道車両機械技術協会編
平成21年度に、JR西日本様より当協会が委託を受け「車両用主回路機器選択設計と保守のマニュアル作成委員会」において纏められた報告書の一部を再監修し、広く鉄道車両技術者の参考に供するため、JR西日本様のご厚意により、シリーズ1として「主回路電力変換装置編」を発刊します。
鉄道事業者が線区における電力システム、軌道システム、信号システム等を考え合わせた上でどのような走り方をする車両を必要とするか。この過程において本書が参考になると考えます。
(社) 日本鉄道車両機械技術協会編
本書「主回路システム」は電気車主回路システムの設計マニュアルである。
最近の交流電動機を主電動機とした主回路システムは、初期の抵抗制御車と比べて複雑になり、主回路を構成する各種主回路機器の有機的な連携を密にし、バランス良く組み合わせる必要がある。しかし、その具体的手法は明らかにされていない。
本書は電気車主回路設計者達の長年の経験に基づいて記述され、主回路設計の奥義を極めた内容であって、過去に類書を見ない著書である。
鉄道事業者の電気車設計技術者はもとより、電気車およびその電機品製造メーカの設計技術者にも極めて有益で必読の書である。
(一社) 日本鉄道車両機械技術協会編
本書は、鉄道電気車両の主体を構成している「主電動機」の設計マニュアルです。
電気車両の歴史130数年の中で、今日まで主電動機としては直流電動機が主として使われてきましたが、近年になり誘導電動機や同期電動機が使われるようになってきました。これらは、全く違う種類の電動機と見られていますが、その基本的な原理は同じで、電流と磁界で力を作って列車を走らせ、力を吸収して制動力を生んでいます。
この基本的な原理を根本から説明し、列車を加減速する機能・性能としての諸々の条件を電気車設計の立場から説明しています。特に主電動機の設計に関しては一般の電動機設計との違いを明確にするなど、旧形主電動機から各種交流電動機までの各執筆者の経験に基づいて記述しております。
近年、交流電動機のインバータ制御が主流となり、その電力変換装置の技術が電気車両技術の中枢のように見られていますが、主電動機の技術を知っていることが必須であることは言うまでもありません。そこで本書は、直接主電動機に携らない方も含めて車両設計者すべての方々の基本的知識として必ずやお役に立つと信じております。
(一社) 日本鉄道車両機械技術協会編
本書は、「集電装置」の設計マニュアルです。電気車両の歴史において様々な饋電方式、電車線方式、使用環境に対応した集電装置が開発されてきました。現在、電気車両に適用されている集電装置には、架空電車線から集電するパンタグラフ、線路脇の第三軌条から集電する集電靴などの方式があります。集電装置には、地上設備と微妙に接触しながら必要な電力を車両へ取り込む機能が求められます。電車線との関係においては担当グループと協力してより良好な集電を確保することが大事です。
集電装置を設計する際には、基本的な集電理論、現在の集電装置の構造に至った経緯、電車線の基本構造や特性、車両限界などを知識として持ち、設計する際の要点、考慮すべき事項などを認識しておく必要があります。本書は、これらについて海外の事例も含めて記述しております。したがって、適切な保守するための基礎技術の取得にも有効です。
本書は、集電装置の設計者、保守技術者、集電装置周辺の設計者などの方々の基礎的知識として必ずやお役にたつと信じております。
これまでに鉄道車両技術継承部門での出版物として、鉄道電気車両主回路シリーズとして4冊が発刊されておりますが、この度、鉄道車両の走行安全性、安定性、乗り心地などを左右する重要な装置として電車の「台車」について、構造並びに機能と設計のポイントを詳細にまとめたのが本書です。
当協会内に編集委員会(主査:岡本勲 鉄道総合技術研究所)を設置し、学識経験者、鉄道事業会社、台車関連製造会社のメンバーで執筆しました。
主な記載内容としては、
第1章 台車設計の基礎
第2章 電車用台車の変遷
第3章 台車の役割と種類
第4章 台車設計の基本
第5章 台車の構成要素と設計
第6章 台車の制御
第7章 台車の性能試験
第8章 過去の台車に係わるトラブルと台車設計
第9章 電車用台車の検査と保守
第10章 台車の設計に関連する法令と主な規格
となっており鉄道事業会社の台車設計技術者必携の内容を網羅し、併せて検修技術者にも参考となるテキストとしてまとめ上げたものです。
本書が鉄道事業会社並びにメーカの台車設計に携わる技術者、及び台車検修技術者にとっても必ずやお役に立てて頂けることを願っております。
本書は、台車、輪軸の保守に関わる信頼性向上を目的に、「台車・輪軸の保守における信頼性向上作業部会」を設置し、「現場での走り装置の技術・技能を伝承するために作業部会の知恵を結集させ指導者向けの教本を作成する」を基本コンセプトに活動を行ってきました。
そこで、在来線電車の台車・輪軸を主体に各部の概要と保守のポイントが体系的に理解できるものを報告書として完成することができました。
このたび、本報告書を「台車・輪軸―保守のポイント―」として発行することとなりました。
内容としては、台車・輪軸の構造と各部の機能および各部の保守作業のポイントを記載し、初心者が理解できるものとして、さらに指導者も技術的な理解を深める内容となっております。また、保守作業がどのように乗り心地等に影響するか、また保守作業に起因する不具合事例等も記載しております。
このように、本書は、各鉄道事業者等で台車・輪軸保守に関わる技術者への教本として活用できるものであり、台車・輪軸を保守するうえで、信頼性向上につながることを願っております。
(社) 日本鉄道車両機械技術協会編
鉄道車両の技術書は数多くありますが、その多くは全体の基幹システムとそれを構成する主要な機器や装置を対象としたものであり、それらの周辺機器及び小型部品については、まとまったものは皆無といった状況です。
本書は、JR西日本殿の社内用にまとめられたものを元に、広く設計・製造並びに保守といった鉄道車両業務に従事される方々に容易に使って戴くため、"経験から学ぶ鉄道車両技術者必携シリーズ"第1弾として、この7月11日発刊することになりました。
シリーズ第1回目は『電気連結器のはなし』と題し、車両の神経ともいうべき電気並びに信号等の伝達手段であるジャンパ連結器、電気自動連結器、端子台、コネクタ、高圧ブッシング及び光連結器について詳述しています。
なお、引続きシリーズとして今後『継電器』『電磁弁・配線用遮断器』『小型スイッチ』等を刊行する予定です。
本書の特徴は、使用条件を考慮した選択設計の考え方、既存の一般製品の採用の可能性及び保守上の留意点を、これまでの使用実績や故障事例を含めて記述しているものであり、必ずや座右に置いて役立てて戴ける内容です。
(社) 日本鉄道車両機械技術協会編
本シリーズは、JR西日本の社内用にまとめられたテキストをベースに、設計・製造並びに保守といった鉄道車両業務に従事される多くの方々に手軽に使っていただくことを目的に編集し、“経験から学ぶ鉄道車両技術者必携シリーズ”として、発刊されるものです。
シリーズの第2冊目は、「継電器のはなし』と題して、車両制御の頭脳ともいうべき基本デバイスであるいわゆるリレー類についてまとめられております。
本書は、使用条件を考慮した設計選択の考え方、既存の一般製品の採用の可能性及び保守上の留意点を、これまでの使用実績や故障事例を含め、わかりやすく記述しているのが大きな特徴です。座右に置いて必ずお役に立つものと確信しております。
(社) 日本鉄道車両機械技術協会編
シリーズ1、2に続き、シリーズ3として「検知器 センサーのはなし」を発刊します。
本シリーズは、JR西日本の社内用にまとめられたテキストをベースに、設計・製造並びに保守といった鉄道車両業務に従事される多くの方々に手軽に使っていただくことを目的に編集し、"経験から学ぶ鉄道車両技術者必携シリーズ"として、発刊されるものです。
シリーズの第3冊目は、『検知器 センサーのはなし』と題して、車両システム並びに機器をきめ細かく安全に制御する各種検知器(センサー)についてまとめています。
本書の特徴は、使用条件を考慮した設計選択の考え方、既存の一般製品の採用の可能性及び保守上の留意点を、これまでの使用実績や故障事例を含め、分かりやすく記述しています。
本書は、これまで各鉄道会社では、車両検修設備の担当者が少なく、また他社の工場や基地を参考にできる機会も少ない状況の中で設備業務を進めるために、1996(平成8)年に当協会から発行された「車両検修設備」の電車関係部分を参考に、基地工場の検修設備を新設、改良する場合に役に立つ資料の再編を目的に作業部会を開催しまとめたものである。なお2019年の初版発刊以降、各社で車両保全の体系、検査周期の変更が行われたほか、新たな車両基地の開業があったため、執筆内容の一部見直し、追加を行い、2023年改訂版として新たに発刊した。
主な内容としては、
第1章:車両メンテナンス体系と保全の概念ついて
第2章:仕業検査等各種の検査業務について、車両による検修形態の違い
第3章:設備計画を行う際の具体的手順
第4章:車両基地設備についての規模の計算方法、設備標準、主要な設備について
第5章:工場設備について、1両分割方式から編成方式についての検修方法の違い、あるいは各作業場の必要面積の策定、及び検修フローと設備配置の関係について
第6章:給排水設備、ボイラー、コンプレッサ、受配電設備等の共通設備について
第7章:効率化の考え方と注意点のほか、CBM、IoTの考え方
第8章:最近整備された特徴的な基地工場の設備概要
第9章:今後の車両検修の方向性について
を図表を多用し、具体的に紹介している。
本書が、設備業務の指針のテキストとして、大いに活用していただけることを願っております。
これまで協会では「鉄道電気車両主回路シリーズ1~4」「台車」等車両関係技術図書を順次出版してきました。鉄道が便利な乗り物として認められてきた中で、利用者の多様な要求や鉄道会社自体の効率化などに応えるため、補助回路システムについては、その役割がますます増大し、複雑化し、重要性も増してきています。しかし、これまで補助回路に関するまとまった図書は見当たりません。本書は、新幹線電車を含んだ電車の「補助回路システム」を対象とした最初の参考図書となります。
読者として想定しましたのは鉄道会社の若手車両設計技術者ですが、車両保守の担当者や鉄道車両製造業の関係業務に携わる方をも念頭に置いて作成しました。
車両関係業務に携わる多くの皆様の参考書として本書がお役に立てることを願っております。
<主な内容>
第1章:補助回路システムの歴史
・補助回路システムの明治時代からの「歴史」
第2章:補助回路の電源と機器
・補助回路システムを構成する「機器や装置」の解説
第3章:補助回路システムの考え方
・電気方式別「補助回路システム」の設計の考え方
第4章:具体的事例
・車両の補助回路システムの事例紹介