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平成26年度「車両と機械」技術セミナーの開催

以下のセミナーはすべて終了いたしました。
多数のご参加ありがとうございました。
平成26年度「車両と機械」技術セミナーの開催
 本セミナーは、鉄道関係の業務に日常携わっている技術者を対象に、この業務の進歩・技術開発を支援する
ことを目的としたものであります。演題は、鉄道技術に直結する鉄道車両および機械設備に関するものから
近年技術開発が急速に進みつつある先端技術分野のことまで、広い分野でテーマを取り上げています。
 今年度も下記のとおり、4回に分けて8テーマを計画しておりますので、多数の皆様にご参加頂きますよう
ご案内します。
 
 1. 開催日時および演題・講師
 第1回  9 4() 13:3016:50   (第1回終了しました。)
            No.1 LRVの技術
        独立行政法人 交通安全環境研究所
        交通システム研究領域 副研究領域長
        上席研究員            佐藤 安弘 氏
     No.2 広島電鉄のLRV化の現況
        広島電鉄株式会社 電車事業本部 電車技術部
        車両課長             東  耕一 氏
 第2回   102() 13:3016:50   (第2回終了しました。)
     No.3 JR東日本のCBTC導入プロジェクト
        東日本旅客鉄道株式会社 鉄道事業本部
        首都圏輸送システム変革戦略プロジェクト
        部長               大場 喜幸 氏
     No.4 列車制御情報伝送技術と国際規格
        西日本旅客鉄道株式会社 鉄道本部 技術開発部
        鉄道情報技術プロジェクト
        専門課長             落合  統 氏
 第3回  11 6(木) 13:3016:50
     No.5 紫電改から救難飛行艇US-2/日本独創技術航空機・開発秘話
        新明和工業株式会社
        取締役 専務執行役員       石丸 寛二 氏
     No.6 新世代台車<efWING>
        川崎重工業株式会社 車両カンパニー 技術本部
        台車設計部 担当部長       西村 武宏 氏
 第4    1216() 13:3016:50
     No.7 東京スカイツリーの高速エレベータ開発
        東芝エレベータ株式会社 技術本部 開発部
        機械開発担当グループ
        グループ長            染谷 誠一 氏
     No.8 ホームドアの国際規格化
       (公財)鉄道総合技術研究所
        鉄道国際規格センター
        シニアエキスパート        草  節  氏
2.場 所
     シーサイドホテル芝弥生(芝弥生会館)
     東京都港区海岸1-10-27 電話03-3434-6841
3.募集人員
     各回100名(定員に達し次第締切とさせて頂きます。)
4.参加費
(1)4回連続聴講の場合は25,700円/4回分一括払いです。
    (会員・非会員の参加費は同じです。)
   また、4回分一括払いの聴講券で一度に4名までの聴講ができますので、
   参加される希望回を選定ください。4回一括払い連続聴講券は、1回毎
   1枚ずつでも、特定の1回に4名様でもいかようにも分割可能です。
(2)1回毎の聴講の場合は7,200円です。
   (非会員の方は8,200円です)
5.参加申込み
(1)E-MailまたはFAXにて、申込者、会社名・所属、連絡先住所、メールアドレス、
   電話番号、一括払いか一回払いかをご選択し、実際に聴講する回と人員を記載
   の上お申込みください。
(2)参加費のお支払は、お申込み後お知らせいたします。
   なお同封にて、1回につき1枚の受講票をお送りいたします。
(3)申込先:〒105-0003 東京都港区西新橋1-19-4難波ビル5F
        (一社)日本鉄道車両機械技術協会
           担当 技術企画部 植松
           E-Mail:              rma-k@hyper.ocn.ne.jp 
           TEL:03-3593-5611 FAX:03-3593-5613
【講演概要】
第1回のセミナーは終了いたしました。
(第1回 9月4日)
No.1 LRVの技術  
      1997(平成9)年に熊本市交通局が、日本で初めて100%低床式車両9700形を導入した。これが日本初の
 LRV(Light Rail Vehicle)とされている。これと似た用語として、LRT(Light Rail Transit)があり、LRTとは、
 街の中心市街地を再活性化するために、路面電車を中心とした街づくりのことを指すが、必ずしも定義は統
 一されたものではない。
  低床化のために、LRVは在来の路面電車と台車構造などが異なる場合があり、走行特性が異なることとな
 るため、そのような車両の導入に当たっては、走行安全性の検討が重要となる。走行安全性の検討において
 は、特に軌道との適合性が重要である。
  本講演では、LRVの導入の経緯と特徴について延べ、走行安全性評価や、LRV  導入路線の調査等を行っ
 た例を紹介するとともに、一般の鉄道との違いについても触れ、安全性にかかわる留意点を示す。今後は、
 さらにLRV導入が進むとともに、街づくりと連動したLRTの動きとなることが期待されるが、今後発展が期待され  るLRVの 技術についても触れることとしたい。
No.2 広島電鉄のLRV化の現況
  広島電鉄は、1912年に広島に路面電車の運行を始め、一昨年11月に100周年を迎えることができた。車両
 は開業時の10050両からはじまり、現在導入を進めている1000形まで、これまでにさまざまな車両を導入
 してきた。
  現在では、最新の超低床車両1000形を含む単車が70両(14車種)、2630m級の連接車両62編成(9車種)
 が在籍している。近年では、超低床車両の導入に力を入れており、海外製の500012編成(19992002年
 製造)、国内製510010編成(20052008年製造)、国内製10005両(20132014年製造)の合計522  編成が運航し、バリアフリー化、車両の高性能化を行い、お客様へのサービスの向上に努めている。
  今回の講演では当社が行っている、利便性、快適性、サービスの向上に向けた取り組みについて説明し、
 車両メンテナンスの立場から、戦前時代に導入した車両から最新のLRVまで、保有する車両について紹介
 したい。また、昨年、ITS世界会議東京2013の一環として、東京大学、マツダ㈱、交通安全環境研究所と共同
 で実施した「広島における世界初の路面電車・自動車間通信型ASVデモ」についても触れていきたい。
(第2回 10月2日)
第2回のセミナーは終了いたしました。
No.3 JR東日本のCBTC導入プロジェクト
  JR東日本では、技術革新(軌道回路レス、ケーブル削減等)、業務革新(単線並列運転等)を目的として、
 従来の発想に捉われない新たな首都圏輸送システムへの変革を目指しており、海外の都市鉄道等での普及が著
 しい無線式列車制御システム(CBTC)の常磐緩行線(綾瀬~取手間の各駅停車)への導入検討を進めている。
  2012年に国内外メーカーに対して関心表明を募集して会社選定を行った結果、20144月にタレス社(仏)
 と設計契約を締結し、設計作業を進めている。常磐緩行線へのCB  TC導入は2020年頃を予定している。
  今回の講演では、無線式列車制御システムの仕組みや、当社がCBTC導入を検討する目的・メリット、課題
 などを述べる。また、当社が自社開発を進めているATACS(仙石線で営業運転中、2017年秋に埼京線に導入
 予定)との比較も行いたい。
No.4 列車制御情報伝送技術と国際規格
  今や列車内に張り巡らされた高速な情報ネットワークは、列車の高機能化、高信頼化、乗客サービスの拡充を
 支える不可欠の存在となっている。本講演では、列車内データ伝送技術の基礎と、その標準化を推し進める最新
 の列車伝送系国際規格について解説する。
  従来の列車制御で基本的に用いられる非常に多数の引き通し電線の加圧/非加圧を用いた制御方式に比べ、マイ
 コン制御の機器間を少数の高速データ回線で結ぶ最新の方式では、格段に情報量が増え高速化が可能となっただ
 けでなく、艤装配線、保守コストや消費電力、車両重量も大きく削減することができる。前半では、これを実現
 するための列車情報系のシステム構成方法及び必要な技術的要件をまとめる。
  本年(2014)には、日本より提案し原案を作成した列車伝送系ECN(イーサネット編成内伝送系Ethernet  Consist Network)規格が遂にIEC国際規格として発行された。今後これが世界の列車伝送系の標準となると目
 され、その成立意義は非常に大きい。そこで後半では、本国際規格成立の背景、経緯と日本の戦略、企画の技術
 的ポイント、更には今後の展開方針について解説していく。
(第3回 11月6日)
No.5 紫電改から救難飛行艇US-2/日本独創技術航空機・開発秘話
  「新明和工業」は、その前身「川西航空機」が有する航空機技術を基に、輸送用機器を基軸としてインフラ
 事業で社会に貢献する企業。まず「当社の概要と歴史」に触れ、日本で最初の航空機製造会社「川西航空機」
 から「新明和工業」への変遷を概観する。
  次に「飛行艇の歴史と現状」では、戦中、日本海軍向け97式大艇、2式大艇等、当時世界最高性能の独創的
 傑作機が数多く生産され、戦後、特殊用途でのみ生き残った飛行艇の経緯を概説する。また「紫電改」と
 「US-1A  改(後のUS-2)」誕生の歴史を対比し、ベンチャー魂が生んだ両機の数奇な運命と類似点を探る。
    そして戦後、飛行艇の新たな活路を見出して誕生した「外洋飛行艇の開発秘話(波との戦い)」
 を説明する。加えてその後継機「救難飛行艇US-2」の開発概要と、世界に冠たる21世紀の飛行艇の卓越した
 性能と特徴を紹介する。
  最後に「飛行艇の将来」を展望し、当社が構想する「飛行艇の多用途化」について、海外輸出を目指した活動
 や、消防飛行艇への改造構想について紹介する。
No.6 新世代台車<efWING>
  鉄道車両において台車は走行安全性に大きく寄与しており、台車の性能として走行安全性の向上が最優先事項
 として求められている。また、昨今の省エネルギー化の要求に伴う消費電力の低減、及び線路保守管理作業の省
 力化から車両に対する軽量化のニーズも高まっている。
  これらの要求に対し、世界で初めてサスペンション機能を有したCFRP製のバネを持つ新世代の鉄道車両用台車
 を開発した。
  一般的な台車は、台車ワクとコイルバネによって車体荷重を支えている。それに対し新たに開発したefWINGは、
 台車ワクの一部を航空機や自動車において使用されている軽くて高強度のCFRP  で製作した。さらに、CFRP部
 にコイルバネのサスペンションの役割を持たせることで、台車ワクとコイルバネの二つの機能をCFRPバネとして
 一つに集約させた。
  その結果、台車ワクの重量を1両あたり約900kgの軽量化(当社比)を達成し、ランニングコストの低減とCO2  排出量の削減に貢献できる。また、線路不整による輪重抜けを従来に比べて半分以下と大幅に改善して、脱線に対
 する安全性を向上させることを証明した。
  efWINGは2014年3月に熊本電気鉄道殿で営業運転に投入された。その開発経緯について紹介する。

 (第4回 12月16日)
No.7 東京スカイツリーの高速エレベータ開発
  東芝エレベータ㈱は、世界最高速度1,010/minのギネス世界記録認定を10年間保持するTAIPEI101向け超々
 高速エレベータや、昇降行程400mを超える上海環球金融中心向けに高昇降行程エレベータを納入し、これらの開発
 を通じて超高速、大容量及び高昇降行程への対応技術を確立してきた。これらの蓄積した技術力を生かして、高さ
 世界一の自立式電波塔の東京スカイツリー向けエレベータを開発した。
  納入したエレベータのうち、来場者を運ぶシャトル4台は、高さ350mの「東京スカイツリー天望デッキ」への
 直通エレベータで、40人乗り・速度600/min・昇降行程300mを超える、大容量、超高速、高昇降行程の仕様で
 ある。業務用兼非常用エレベータ2台は、高さ450mの「東京スカイツリー天望回廊」及びその上階の業務フロアへ
 登るためのエレベータであり、昇降行程464.4mは国内最長となることが特徴である。(当社調べ)
  当社は東京スカイツリー向けエレベータに求められる大容量化と高昇降行程化を実現するため、各種コア技術の
 開発はもとより、安全性・快適性の実現などの様々な技術課題を解決した。本講演では、今回開発したエレベータの
 先端技術について紹介する。
No.8 ホームドアの国際規格化
  鉄道国際規格センターは、鉄道に関する国際規格専門委員会(IEC/TC9ISO/TC269ISO/TC  17/SC15)の審議
 団体を担い、これら専門委員会及び付帯する作業部会の事務局業務を行っている。また、国際規格に関する情報の
 収集と提供、国際規格の専門家の海外派遣支援、育成も行っている。
  日本におけるホールドアの導入は早くから始まったが、技術的課題、コスト面の問題から導入の速度は速いとは言え
 ない状況にある。こうした中、当センターではホームドアの規格化の可能性について検討する勉強会を立ち上げ、規格
 の検討、所外国との情報交流を実施している。
  今回の講演では、国際規格に関する一般的知識、ホームドアの規格化の可能性の検討結果、諸外国との情報交流の
 結果(各国の現状、設置の目的、課題等)を紹介し、日本の状況との対比を行いながら文化の違いについても説明する。
  最近欧州標準化委員会(CEN)の鉄道専門委員会(TC256)にてホームドアに関する作業グループが設置され規格化
 が開始されようとしている。当センターでは欧州だけで規格化が進むと日本の実情が反映されないため、同専門委員会
 に国際規格の場での共同開発を提案している。こうした状況についても紹介する。
                                            以上